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「千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外にいったことがないままルーマニア語の小説家になった話」(やってやるよ!おい)

年末年始、ボーっとSNSを眺めていた時にこの本に出会った。この書影にひきつけられて頭の中に残ったまま、たまたま本屋さんに行ったときに目の前に現れた。

「え、運命!」

いつもは買うか買わないか迷ってしまうけど、運命だから仕方がない。

時間感覚というやつが、永遠と瞬間を激しく行き交うんだ

底なしの深淵で時間感覚が異様なものになっている。

この感覚、わかるかも。二人の障害児を抱え、一人はすぐに生死をさまようし、一人は「親のしつけが・・・」と言われる感じで、二人を園に送り出したあとは虚無。ダイニングテーブルに座っているといつの間にか2,3時間過ぎていて「ヤバいお迎え!」とバタバタと迎えに行くことがそれなりにあった。

かといえば、パルスオキシメーターの画面を見ながら「時間外受診するべきか朝まで待つべきか」、「早く朝が来てほしい」と思って時計を見ていても5分が中々進まないとか・・・。パニックをおこしたときに、いつおさまってくれるのか地獄の時間を耐える時間とか・・・。

済東さんとは全く環境とかは違うけれど、これを読んで「あ、時間感覚が異様な世界にいたんだ」って、なんだか腹落ちした気分。自分がおかしかったのかもしれないけれど、異様な世界にいたんだよっ。

引きこもり生活における最低の悪友

いたいた。私も悪友いた!「焦り」って友。ママ友ほとんどいなかったけど焦りって友とは親友だったよ。「自分は何も成し遂げてない!」っていう焦り。

同じように子供を育ててる方々は、朝早くに保育園に預けてフルタイムで共働きして、習い事なんかもさせて、ほんとにステキなご家族。かたや、仕事もできず今日も一日生存できた、だけの私。ホントに子供の世話以外で生きてる意味がマジで見いだせない。

そんな私が10年近くしてからやり始めた生存闘争、現状への言い訳が、障害者自立支援委員会への参加であったり、ブログやnoteだったり、ZINEの出版なのかもしれない。「私だって何かをやってるんだぞ」って。でも、私は家族にはアピールできていないけれど・・・。

周りと違う自分カッケェ

著者は韓国映画好きな中年女性たちの熱意や知識欲や好奇心、有り余る元気と興奮をみて、別に何に役に立つとかではなしに、人生楽しむためにこれをやっているんだっ、と言う風に思えたそうだ。

こういう「周りと違う自分カッケェ」っていう自意識にもっと優しくなってもいんじゃないかって。著者はそこに人生そのものを賭けたそうだ。つまり、ルーマニアとルーマニア語に。ルーマニアにいくことは難しい状態での賭けはまさにカッケェ。

私は何かを賭けることは小心者でまだ無理だ。でも、自己満足でブログを書いたりnoteを書いたり、ZINEを出したりする自分はこっそりカッケェと思ってるよ。

バランスをとるためのエゴイズムとナルシシズム

俺たち引きこもりは、自己肯定感がマリアナ海溝の底よりもさらに深い場所に沈んでるんだよな。このマジで絶望的な状況に耐えるため、自尊心は天よりも高い場所にある………そうじゃないとバランス取れないからね。

そうそれ、「俺たち引きこもり」の一員にして!ヤバいの。自己肯定感と自尊心のギャップが。著者は、是正しようとして、数えきれない失敗をしたそうだ。いやー、思い出したくもない。

どうやら、ナルシシズムを日本語にすると「自己愛」。悪い意味で使われがちだけどよく見ろと。

「自分を愛する」

それってそんなに悪いことか?って。そうか。バランスがとれていない自己肯定感と自尊心を持つ自分を愛する・・・。難しいな。それでも、そんなちょっとユニークな自分が存在していてもいっかって思えるくらいには愛せるようになったかもしれない。

私はブログやnoteやZINEを書くことである一定の期間の道筋の振りかえりができたのかもしれない。私の人生に意味があるかどうかはまだわからないけれど、自分キッカケで何かが変わったことがあると、もしかしたら・・・とちょっと期待する。

生まれちまったものはしょうがねえ!どうせなんだから生きてやれ、お前のその人生を全力で。

こう思えるようになるまでの期間が長いはず。多分私は10年以上かかっている。それには危険な側面もあるSNSに助けられた。著者は、「まともに外にも社会にも出れなかった俺にとって、この二つ(Facebook、Twitter)は世界へと俺を繋げてくれるどこでもドアだった」と言っている。私だって、ネットはどこでもドアだった。

zoomには本当にお世話になっている。だって自宅にいながら色んな人と顔を合わせて話せるんだから。著者とは違う理由でまともに外にも社会にも出れなかったけど、オンライン上だけでは外の世界を見れたんだ。

で、半年ほど準備を重ねて色々イレギュラーはおきたけど、思い切って東京へ出かけたんだ!東京文フリへ!1年ほど前に文フリと言うものを知って、半年ほど前にきっかけがあって「行きたい!」となり、強行になったけどいけた。

韓国映画好きな中年女性たちは、ZINE好きの中年女性の私だ。人生を楽しむためにやっている。有りあまる元気とまではいかないけれど、ある程度の元気と興奮はある。

重要なのはどこにいるかじゃない。俺たちが今そこにいること、これ以上に価値のあることはない。だから俺にとっては、他でもない今そこに立っているあんたこそが未来だ。やってやれよ、おい!

やってやるよ、おい!

悪友が「焦り」って人に是非!

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