発達障害といっても全員が同じことで困っている訳ではありません。 診断名としては、自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、ADHD、 LD・・・。 いろいろ、診断名がつきます。 子供に、診断名がついた時、「ショックで絶望的な気分」になったり「ホッとした気分」になったり様々です。 とにかく、情報を得ようと動き始めるでしょう。 そこで、「コミュニケーション」に特化したトレーニングが書いてある本を紹介します。
こちらの本は、発達障害の人が会話力をつけて友達といい関係をつくろうという趣旨の本です。 そう簡単にいくことではないので、ガチガチにトレーニングするというよりも、 「こんなことがあるんだー」とまずは知ることが大切です。
トラブルのはじまりは、ちょっとしたすれ違いから起こる事です。
①楽しいおしゃべりに水をさすようなことを言う
②まわりの子たちと話す事が減っていく
③疎遠になる
④何かを貸し借りするのに拒否される
⑤けんかになる
上記のように、小さなすれ違いから大きなトラブルへ発展していきます。
この時、①で水を差すような事を言うことがすれ違いの始まりです。 ただ、本音をいっただけなのに、何がダメなのかわからない。 そういった時に、どう話せばいいかを練習します。その方法が説明してあります。
子供のトラブルかもしれませんが、大人でも毎日のように人との関わりには神経を使いますよね。 大人にも、日頃の自分の言動を見直すきっかけになります。 こどもに対して、「自分が言われて嫌な事を言ってませんか?」
他にも、嫌な人とはトラブルになるまえに離れるという方法もあります。
イヤイヤ付き合うよりも、少し離れている方が現実的な対処かもしれないです。 ただ、こどもの場合は同じ教室にいる事が多いので、関係を絶ってしまう事はできません。 本の貸し借り、プリント配りなど、最低限関わる事があります。 その時に、「かして」「ちょっと待って」「いいよ」「今はできない。○○ならいいよ」 など、簡潔でわかりやすいコミュニケーションがとれる必要がでてきます。
この本には、トラブルのケースが紹介され、その時にどういうスキルがあると 回避しやすいかが書いてあり、そのためのトレーニングが紹介されています。
もう一度いいますが、
ガンガンにトレーニングすることはありません。
こどもがトレーニングだと認識すると「嫌な事をしている」と思い、 そういったこと全てが嫌になる可能性があります。これは避けるべきです。 普段の、親子の会話の中でさりげなくとりいれるのが一番です。
「こんなにのんびりしていたら身に付くの?」と心配になるでしょう。 心配ありません。穏やかな状況で少しずつやるほうが圧倒的に身に付きます。
大人も、わかっていても人間関係のトラブルが絶えないですよね。
つまり、いつまでたっても常に失敗はつきものですし、常に正解だけの優等生はいません。 なので、「あ、あれは失敗だったな」と思えるようになれば御の字です。
発達障害の人たちは、コミュニケーションがとれないのではなくて下手・苦手なだけです。 多くの人は、なんとなくコミュニケーション能力を身につけていきますが、発達障害の人は 学習や練習が必要なだけです。
みなさん、料理や勉強、水泳や楽器など練習が必要ですよね。 その中で、すぐに上手になるものもあれば中々うまくならないもの、もう無理とあきらめるものありますよね。
でも、最低限できないと困る事は困らない程度に練習したり、代替えできないか考えますね。
例えば、料理ができない。自炊できなければ、買いにいく、外食する。などです。
発達障害はなおるものではありません。ずっと付き合っていくものです。 なので、下手で苦手だけど最低限のことが出来るようになるよう練習したり、何かと置き換えたり していくのがベターです。
料理に例えると、買いにいったり、外食したりということです。
発達障害と診断されたら、「大変だー」となります。それは、当然です。少数派ですから。 健常児のように!!と努力するのではなく、今持っている能力でコミュニケーションをとる方法を練習すること、 代替えになるものを探すことの方が現実的です。
まずは読んでみて、どんなことがあるのか学習してみませんか?